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NUMBER
40
TITLE 地図と領土(ちくま文庫)
AUTHOR ミシェル・ウエルベック
DATE 2019年9月14日(土)14:00-17:30
PLACE 池袋
FEE 1000円
NOTE 読書会の終了後に二次会を開催しました。

about the book

孤独な天才芸術家ジェドは、個展のカタログに原稿を頼もうと、有名作家ミシェル・ウエルベックに連絡を取る。世評に違わぬ世捨て人ぶりを示す作家にジェドは仄かな友情を覚え、肖像画を進呈するが、その数カ月後、作家は惨殺死体で見つかった―。作品を発表するたび世界中で物議を醸し、数々のスキャンダルを巻きおこしてきた鬼才ウエルベック。その最高傑作と名高いゴンクール賞受賞作。

about the author

ミシェル・ウエルベック (Michel Houellebecq)(1958年2月26日 - )

フランスの海外県であるインド洋の孤島レユニオンに生まれる。
両親がはやくに幼いウエルベックの育児を放棄したため(その後離婚)、6歳のときよりパリの母方の祖母のもとで育てられた。
1980年、 国立パリ-グリニョン高等農業学校を卒業。同校は農業技官を育成するためのエリート校であり、過去の卒業生にアラン・ロブ=グリエがいる。
卒業後結婚し息子をもうけるが、やがて離婚。精神が不安定になりたびたび精神病院に入院するようになる。
1991年、ラヴクラフトの伝記『H・P・ラヴクラフト 世界と人生に抗って』を出版。続けて2冊の詩集を出版し、トリスタン・ツァラ賞を受賞。
1998年、長編第一作『素粒子』を発表。強い性的コンプレックスを持つ男性高校教師と孤高の天才科学者という、対照的な異父兄弟の私的な物語を、量子論や遺伝子工学といった科学的知見を交え壮大なSF的枠組みの中で語るという異色の作品で、出版後読書界にセンセーションを起こす。
2001年に長編第二作『プラットフォーム』を出版。タイを舞台としたセックスツーリズム(売春観光)をテーマとした作品で、人権思想家やフェミスト、イスラム原理主義などへの攻撃的な文章が、アメリカ同時多発テロ事件と時期的に重なったこともあいまってスキャンダラスな話題作となった。
2005年にはふたたびSF的な構想に挑戦した長編第三作『ある島の可能性』を刊行、著者自ら「自分の最高傑作」を自負した作品でこれもベストセラーとなる。
2010年、架空の現代美術家の生涯を主題にした長編『地図と領土』によってゴンクール賞受賞。
この作品ではウエルベックが主要人物の一人として登場するほか、フランス語版ウィキペディアからの引用部分が剽窃に当たるとして訴えられたことでもメディアを騒がせた。
2015年1月7日、「2022年にムスリムがマリーヌ・ル・ペンを破ってフランス大統領となる」という近未来小説『服従』を発表したが、奇しくもその日にシャルリー・エブド襲撃事件が起きた。
本作は国内外で大きな反響を呼んだが、彼の友人のエコノミスト、ベルナール・マリスが事件で殺害されたことを受け、ウエルベックは『服従』の広報活動を中止した。
同年1月27日、ウエルベックは警察の保護下に入ったと伝えられている。その後、1月末にウエルベックは姿を現し、「我々には火に油を注ぐ権利がある」と発言した。

from the facilitator

毒薬作家ウェルベックをみんなで読みたいと思って。