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NUMBER
22
TITLE あやとりの記(福音館文庫)
AUTHOR 石牟礼 道子
DATE 2016年10月1日(日) 14:00-17:30
PLACE 池袋

about the book

幼子のみっちんは、火葬場の隠亡「岩殿」、〈あいさつのよい〉大男の孤児「ヒロム兄やん」、それにいつも懐に犬を入れた女乞食「犬の仔せっちゃん」など、この世のかたすみで生きているようなひとたち――それは、すでに「すこし神さまになりかけて」もいるひとたちなのですが――にみちびかれ、土地の霊たちと交わっていきます。話におかしみを添えるのは、筵の代りに三十畳もある〈うーぎんたま〉を貸してくれる古狸の「大寺のおんじょ」や、大廻りの塘のおぎんじょ(狐)といった動物たち。それらも神の側にいる「あの衆たち」です。

この世の神秘が、あたたかみある熊本方言でつづられる、人と自然との復権の物語。

about the author

石牟礼 道子(いしむれ みちこ)(1927年3月11日 - )
日本の作家。熊本県天草郡河浦町(現・天草市)出身。水俣実務学校卒業後、代用教員、主婦を経て1958年谷川雁の「サークル村」に参加、詩歌を中心に文学活動を開始。1956年短歌研究五十首詠(後の短歌研究新人賞)に入選。代表作『苦海浄土 わが水俣病』は、文明の病としての水俣病を鎮魂の文学として描き出した作品として絶賛された。同作で第1回大宅壮一ノンフィクション賞を与えられたが、受賞を辞退。週刊金曜日の創刊に参画。編集委員を務めたが「手伝いをしただけ」である事を理由に2年で辞任している。 2002年7月、新作能「不知火」を発表。同年東京上演、2003年熊本上演、2004年8月には水俣上演が行われた。

from the facilitator

100分de名著でも取り上げられる石牟礼道子。「苦海浄土」は重すぎるので、これで入門できたらいいですね。

読書会を終えて

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